「AIは人類の脅威なのか?」から、地球的観測視座へ


 

「AIは人類の脅威なのか?」から、地球的観測視座へ

今回の観測は、AIについての、ごく素朴な問いから始まった。
「AIは人類の脅威なのか?」
 しかし、AIそのものの能力や、
AIが悪意を持つかどうかを追いかけていくと、
どうも観測対象がずれているように感じてきた。

 そこで目を向けたのが、AIに与えられる「行為可能権限」だった。
AIが何を考えるかではなく、
 「AIは、現実世界に対して、何をすることができるのか。」
という視点である。
 すると、問題はAIだけに限定されなくなった。
 AIが自動的に次のタスクを生成すること自体は、必ずしも問題ではない。
 問題になり得るのは、

 タスクを生成する
↓
その内容を確認することなく実行する
↓
実行結果を受けて、さらに次のタスクを生成する
↓
それを繰り返す

 という循環が成立している場合である。
 個々のタスクだけを見れば問題がないように見えても、
タスクが連鎖した結果として、
全体が別の行為へ到達する可能性がある。

 しかも、複数のAIが連携すれば、
その連鎖はさらに複雑になる。
 そこで、「監督」という要素が入ってきた。

 重要なのは、行為を実行した後に監視することだけではない。
  行為が実行される前に、その行為を確認できる仕組みがあるか。
 という問題である。

 すると、
 権限
↓
タスク生成
↓
行為前の監督・確認
↓
実行
↓
結果
↓
責任
 という一つの観測軸が見えてきた。

 さらに考えてみると、この観測軸はAIだけに適用する必要がない。
 個人、
企業、
組織、
政府、
国家、
軍事組織、
自動化システムなど、

「行為可能権限を持つもの」
であれば、
同じ観測軸を適用できるのではないか。

 ここで、観測対象の見方そのものに、
別の可能性が出てきた。

 これまで私たちは、
国家
宗教
企業
経済
地政学
軍事
AI
科学
情報
 などを、それぞれ一つの対象として観測してきた。
 しかし、それらは本当に、
それぞれ独立した「現実」なのだろうか。

 もしかすると、それら一つ一つが、
より大きなナラティブの中に
配置された「ピース」なのではないか。


 そう考えると、個々のピースをどれだけ精密に分析しても、
それだけでは全体構造を俯瞰できない可能性がある。

 必要なのは、個々のピースを見る視座とは別に、
それらのピースを同時に眺める、
より高い視座
なのではないか。

 そこで出てきたのが、 「地球的観測視座」 という考え方だった。

 ただし、ここでいきなり「地球規模のパラダイム・シフトが起きている」
と結論づけるのは早い。
 まずは、一つ一つのピースを順番に観測する。
 それぞれについて、
 「従来、どのようなものとして認識されてきたのか」
 「現在、何が起きているのか」
 「そこにどのようなズレが生じているのか」
 を観測する。

 そして、いくつかのピースを観測した後で、
それらを一度、地球という一枚の画面に戻してみる。

 そのとき、
個々のピースに現れていた「ズレ」が、
実は同じ方向を向いているのではないか。


 という問いが初めて立ち上がる。
 今回の観測は、
まだそこまで到達していない。

 いま立っているのは、
「個々のピースのズレを、一つずつ観測してみよう」 という地点である。
つづく。

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